釧路出身の絵本作家 こたか みちる さん

大人のカルチャー情報

8月8日から13日まで大楽毛にある「おたのしけギャラリー」で開催されていた 「こたか みちる 絵本原画展」。ギャラリーを運営している山田優子さんの紹介で、こたか みちる さんご本人にお話を伺ってきました。

こたか みちる さん プロフィール:釧路市ご出身。小中学校の保健室の先生として勤務。2016年に長年の夢だった絵本作家を目指し上京。武蔵野美術学園で学ぶ。銅版画の技法の一つである「メゾチント」に出会い創作活動を行う。第7回絵本出版賞奨励賞を受賞した「ぷくのたんけん うみのそこ」がデビュー作としてみらいパブリッシングより出版される。

デビュー作「ぷくのたんけん うみのそこ」

メゾチントとは?

こたかさんの創作で使われる技法「メゾチント」とは、写真技術がまだなかった17世紀頃にドイツ人により生まれた技法をいいます。まずはじめに、銅板に細かい傷をつけていく「目立て」という作業を行います。この作業は専用の道具を使うのですが、目立てが施されているメゾチントプレートも市販されています。この「目立て」で銅板にできる傷が細かければ細かいほど、そこにインクが入ります。次に金属のへら、またはニードルのような道具を使い、白く仕上げたいところを磨いていきます。明暗をつけるには、強弱をつけながらより一層磨いていく作業が必要です。かなり根気のいる作業です。こたかさんが「メゾチント」を選んだ理由の一つは、暗闇に絵がひっそりと浮かぶ幻想的な感じに惹かれたから、とのことです。また、この技法がご自分に合っているからか、難しさを感じたことがない、とお話されました。

作業の工程
銅板

デビュー作「ぷくのたんけん うみのそこ」

この絵本の主人公は「ぷく」という名前の子供のフグです。こたかさんは魚図鑑に載っていたネズミフグを参考に「ぷく」をイメージ。「ぷく」が深海を探検して様々な生き物と出会うお話です。黒っぽい海に浮かび上がる「ぷく」の丸いシルエットが立体的で今にも動きだしそうです。どことなくひんやりとした海底の温度が伝わってくる作品には、こたかさんが子供の頃から見ていた夏でも涼しい釧路の海のイメージが影響しているのかもしれません。釧路の海は夏でも海水浴ができなかったので、海の中はちょっと怖い印象だったそうです。「ぷく」はこたかさんにとって我が子みたいな存在だとにこやかに話してくださいました。こたかさんのキャラクターのようにほのぼのした作品、「ぷくのたんけん」がシリーズ化すると楽しいだろうなぁと思いました。お近くの本屋さんで見つけたらぜひお手に取って見てください!

「ぷくのたんけん うみのそこ」より
「ぷくのたんけん うみのそこ」より
「ぷくのたんけん うみのそこ」より
盆踊りの様子(今後、絵本になる予定)

写真出典:エリボンヌ

エリボンヌ

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兵庫県宝塚市出身。輸入飲料および食品のPR関係の仕事をしていました。2020年4月、緊急事態宣言下に、夫の転職に伴い釧路に移住。 20年ぶりの車の運転に日々...

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